サイの多足歩行にかける青春(CE世界における通信事情)
出典: 機動戦士ガンダムSEED Revival
[編集] はじめに
- AIレイ
- 《ああ、完璧だ。しかも出力が以前に比べて2.4%程向上しているな。良い仕事だ》
- シン
- 『やるじゃないか。じゃ、次…新型スレ……プのテ…ト……めるぞ……』
- シゲト
- え、何?シン、シンー、おおーい!!
- 何だよ、壊れちまったのか?
(そんな時はだね、斜め45度の角度から鋭くチョップ。コレに限るね)
- シゲト
- ……そう言えば前にリーダーが機械の調子が悪いときに使う応急処置のやり方教えてくれたっけ。
- 中開けるの面倒だし、やってみるか!
- シゲト
- コオォォォォォォ……(物凄く気合の入った手刀の構え)
- サイ
- ちょっとまてーーーーーー!!!
- シゲト
- うぉあっ!!脅かさないでくれよサイ兄!
- サイ
- ……お前ね、仮にもエンジニアを志そうって人間が、
- 何の根拠もない非科学的な手段を安易に選ぶんじゃないよ。
- そもそもその通信機は昨日2人で修理したばかりじゃないか。
- シゲト
- あ、そういやそうだった。……って、実際通じてないじゃないか。
- やっぱまた壊れたんじゃ……
- サイ
- そこまで言うなら一度見てみようか。
――30分後
- サイ
- ……な?
- シゲト
- ……本当だ。じゃあ何でいきなり通信できなくなったんだろ?
- サイ
- 向こうの通信機も直したばかりだしなあ
- ……ってシン達は何処までテストしに行ったんだ?
- シゲト
- ええと、確か黒海の方まで行くとか
- サイ
- ああ、成る程。今日は霧みたいな雨降ってるしそれでか。
- シゲト
- え、どういう事?
- サイ
- そういえば、今までモビルスーツの知識優先にしてたからお前には教えてなかったっけ。
- 丁度いい機会だから通信事情について教えておこうか。
[編集] CE世界における通信事情
- サイ
- 突然だが今の時代、世界中にニュートロンジャマーがばら撒かれてるよな。
- ニュートロンジャマーって何か知ってるか?
- シゲト
- 確か核分裂を抑制させる機械……だったかな?
- これのせいで核兵器や核エンジン、原子力発電に至るまで使えなくなったんだよな。
- サイ
- その通り。コイツのせいで地球上のライフラインはずたずたになって現在に至る、と。
- ……おかげでガルナハンが注目されるようになったのは皮肉以外の何者でもないな。
- シゲト
- なんでしないのさ?
- サイ
- ニュートロンジャマーって有効範囲がデタラメに広くて
- 10個もあれば地球全域を覆いつくせるらしいんだ。
- しかもそんなのが戦争中数え切れないほどばら撒かれてて、
- 性質の悪い事に大部分は地中深く埋め込まれてたり海の底に沈められたりしたもんだから……
- サイ
- そう。そんなわけで何年後か、下手をすれば何十年後になるか……
- ニュートロンジャマーの耐用期限が過ぎて壊れるまではどうしようもないわけだ。
- サイ
- 脅威すぎて笑えないけどな。
- ……っと話が逸れたな。
- サイ
- で、何が言いたいかというとだな、
- ニュートロンジャマーには副作用があって電波を阻害する効果もあるんだよ。
- だからニュートロンジャマー付近、そうでなくても通信機同士の距離が離れすぎると
- 繋がりにくくなるんだ。
- シゲト
- そうだったんだ。ニュートロンジャマーってホント性質が悪いな。
- サイ
- まあな。こんなご時世だから通信方法も3種類の方法が採用されているんだ。
- まず主に使われているのが電波通信とレーザー通信。
- どっちもいわゆる電磁波を利用したやつだ。
- シゲト
- なにが違うの?
- サイ
- 電波通信は波長が長いから空中を自由に伝わることができるし天候状態に左右されない。
- 元々使っていた技術という事もあって一番普及しているんだ。
- けど、ニュートロンジャマーのせいで波が打ち消されてしまうので
- 長距離の通信には使えなくなった。
- サイ
- で、代替手段としてレーザー通信が注目されたんだ。
- なんせレーザー通信は電波と逆に波長が短いから
- ニュートロンジャマーにも打ち消されないで済むからな。
- ただ、これも万能というわけではなくて、大気中の水蒸気や他の粒子に跳ね返ってしまう性質が
- あるから霧の濃い日や大雨の日は通信が途切れる事があるんだよな。
- シゲト
- そうなんだ……。
- ジャマーが効かなくて何処にでも安定して通信できる手段ってないもんかなあ?
- ……あ!ひとつ思い当たるのがある!!
- サイ
- ほう、どんなのだ?
- シゲト
- ほら、この前教えてもらったドラグーンだよ!
- だってあれニュートロンジャマーが効いてるはずの場所でも縦横無尽に動いてたぜ。
- レーザー通信や電波通信じゃああもうまくはいかないだろ?
- ドラグーンに使ってるのって画期的な技術なんじゃない!?
- サイ
- お、良い所に気が付いたな、それが3つ目の『量子通信』さ。
- 電波通信とレーザー通信は電気や光の『波』の性質を利用するんだが、
- 量子通信はそれとは違い電子や光などの『粒子』の性質を利用する技術なんだ。
- シゲト
- ……なにが違うのかさっぱりわかんねえ。
- サイ
- 細かい説明しようとすると、日付変るんだけどいいか?
- シゲト
- すいません、手短にお願いします。
- サイ
- 要するに絶対に解読不可能な暗号通信ができて、
- しかも超高速、大容量な通信技術って所だな。
- シゲト
- すげえ!じゃあこれを通信機に組み込めば最強じゃないか……ってもしかして
- サイ
- ……もしかしなくてもお金がとーーーーーーーってもかかるんだよ……
- シゲト
- ……やっぱり。
- サイ
- 量子通信装置は物凄く高価なんだ。消費電力も物凄いし。
- しかも一般の通信装置とは規格が全く違うから
- 改造すれば何とかなるというレベルの話じゃない。
- だから使う場合は既存の通信装置も一緒に用意する必要があるから
- そのコストを考えた日には……
- シゲト
- ………
- サイ
- ちなみにこの前話したドラグーンのコストが非常に高くなる理由の一つでもある。
- シゲト
- ニュートロンジャマーが効いてるはずなのにあんな無茶ができたから
- これはイケる!と思ったんだけどなあ……うまい話には裏があるって事か。
- サイ
- 基地用でも高いのにモビルスーツに搭載できるサイズのものになると、
- 通常規格の通信機も載せないといけないわ、死ぬほど電気を喰うわで
- この節約が義務付けられてるご時世にもうねアホかと言いたくなる。
- 資金に余裕のある統一連合といえども偵察用モビルスーツか
- 黄昏とかエターナルフリーダムみたいな例外にしか採用していないようだし。
- シゲト
- どれも一長一短だし、難しいもんだねえ。
- サイ
- 色々言ったけど結局はニュートロンジャマーの影響下でも
- 短距離での通信なら問題ないから電波通信が主流なんだけどな。
- サイ
- ……で、話を戻すけどシンと連絡が取れなくなったのは何故かわかったか?
- シゲト
- 多分……雨が降って霧が出てるせいだと思う。
- サイ
- 正解。その通信機はレーザー通信専用だからこういう天候だとどうしても、な。
- これからはちゃんと原因を確かめてから故障かどうか判断しろよ?
- シゲト
- わかったよサイ兄。
- ???
- 『……こ…ら…ダスト。リヴァイブ!応答してくれ!……通信機『も』壊れたか?』
- ???
- 《シン、せめてチョップにしておけ、サイが泣くぞ》
- サイ
- なんだか非常に気になる発言を聞いた気がするが……通信が回復したみたいだぞ。
- 俺ちょっとトイレに行ってくるから出てくれ。
- シゲト
- あ、うん。おーい、シン聞こえるか?
- シン
- 『……シゲトか?やっと通じたぞ。ところでサイはいるか?』
- シゲト
- いや、ちょっとトイレ行ってるけど。
- シン
- 『……そうか、いや別に今言う程の事でもないかもしれないんだが』
- シゲト
- どうしたのさ、珍しく歯切れが悪いね。
- AIレイ
- 《なに、大したことじゃない。シンが調子に乗って
- 『スレイヤーウィップの多角的な運用実験』とやらをしただけだ》
- シゲト
- またサイ兄が泣くような無茶を……
- サイ
- ………(引きつり気味)
- シン
- 『いや、俺達は何とも無いから安心してくれ。ただ……』
- サイ
- 気にしてよッッッッ!!!
- シゲト
- 今週はまだ2時間しか寝てないんだけどなぁ……


















