ユウナの良くわかる世界観(ピースガーディアンという軍隊)
出典: 機動戦士ガンダムSEED Revival
目次 |
[編集] はじめに
- ソラ
- キラ様達の部隊ですね。
- ユウナ
- このピースガーディアンといえば、その圧倒的な軍事力と特異な指揮系統が特徴の軍隊なんだけれど、どうも一般的には軍事力のみがクローズアップされているようだね。
- ソラ
- というと?
- ユウナ
- 今回は、この辺のピースガーディアンの「特殊性」の側面から取り上げて、ひいては統一地球圏連合のもつもう一つの顔を浮き彫りにしていこう。
- ソラ
- は~い
[編集] ピースガーディアンの軍備
- ユウナ
- まず、現在のピースガーディアンの戦力から見ていこう。
- 地上最強の部隊としてその名をとどろかせているピースガーディアンだけれども、その規模はそれほど大きくはない。
- 艦船6、モビルスーツ50。
- 艦船1に対してモビルスーツが8機か9機という計算だ。
- 世界最強というにはあまりにも小さな規模だと言えるね。
- ソラ
- え?
- モビルスーツが50機もあるんですよね。
- リヴァイブなんて4機しかいないのに。
- ユウナ
- リヴァイブと比べちゃダメだよ。
- なんて言ったって、相手は世界最大の組織「統一地球圏連合」の最強部隊なんだよ?
- ソラ
- それはそうですけど、50機もモビルスーツがいるなんて、なんだか怖いです。
- ユウナ
- 「怖い」……ね。
- モビルスーツ同士の戦闘を直接見たソラ君ならそう思うだろうね。
- でも、世界的な規模で考えるとこの50機という数字はかなり小規模だと言えるんだ。
- この規模にピースガーディアンが押さえられていること。
- そこにもひとつの意味があるんだよ。
- ソラ
- 押さえる?
- わざと小規模にしてるんですか?
- ユウナ
- わざとと言うのとは少しずれるかもしれないけど、大量破壊兵器を利用しない通常戦闘における一つの伝説がその原因だと言えるんだ。
- ソラ
- 伝説ですか?
- いきなりおとぎ話じみてきましたね。
- ユウナ
- 実際、ほんの10年前の世界ならおとぎ話としか思えない状況だけれどね。
- その伝説とは、「最強のモビルスーツ1機は凡庸な一個中隊に勝る」というものなんだ。
- 言うまでもなくその伝説はキラ=ヤマト駆るエターナルフリーダムによっている。
- ソラ
- キラ様が世界の全ての敵を担っているってことです……か?
- ユウナ
- キラ=ヤマトが統一地球圏連合の力の象徴であることは紛れもない事実だと思う。
- 事実ピースガーディアンは大量破壊兵器を除けば最強の「抑止力」だ。
- 特にキラ=ヤマトの出陣は「世界の危機」そのものだと捉えられる傾向にある。
- 逆に言うなら、それはキラ=ヤマトという正義の味方の力が信任を受けている証だと言えると思うよ。
- ソラ
- でも、それはキラ様が世界中の憎しみを一身に背負うことになる……ってことですよね……。
- キラ様がかわいそう……。
- ユウナ
- この間も話したけれど、人々は諦めてしまっている面がある。
- 自ら世界を良くしていくことをね。
- そんな大衆を守るには誰かが犠牲にならなければいけない。
- その意味ではカガリ=ユラ=アスハとキラ=ヤマトは同じ立場におかれていると言えるかもしれない。
- ソラ
- ………
- ユウナ
- さて、話を戻そう。
- キラ=ヤマトに象徴される一騎当千思想。
- ピースガーディアンにはその思想が色濃く見られる。
- 主力モビルスーツに採用されているフリーダムブリンガー一つとっても、そのことは明白に分かると思うよ。
- フリーダムブリンガーはあのフリーダムを部分的とは言え凌駕しているんだ。
- ソラ
- フリーダムってそんなにすごかったんですか?
- ユウナ
- とある事情で、昔間近でフリーダムを見たことがあるんだけど、あれは怖かった。
- 何しろ当時のオーブ中心部に国防軍の攻撃をかいくぐって単機で乗り込んだくらいだ。
- しかも、そのときにオーブ国防軍には武装解除のみを行い、決してコックピットを狙わなかったらしい。
- 要するに手を抜いてオーブの絶対防衛圏を突破したってことなんだ。
- ソラ
- あ、なんかテレビで見た気がします。
- でも、オーブの国防軍をたった1機で?
- ………本当ですか?
- ユウナ
- 信じられないけどね。
- 今でもあのときの恐怖は昨日のことのように思い出せるよ。
- 目の前にその「伝説」が牙をむいている姿。
- ……想像できるかい?
- ソラ
- ……なんとなく。
- というか、キラ様は昔オーブに敵対していたんですか?
- ユウナ
- まあ、あれは敵対と言うよりは、内乱……かな?
- 詳しくはまた別の機会にしよう。
- ともかく、ピースガーディアンというのはそのフリーダムクラスのモビルスーツを50機も擁している。
- これがどれほどの「軍事力」なのか。それは言うまでもないことなんだね。
- ソラ
- だから「抑止力」なんですね。
- ソラ
- 「悪夢」ですか……。
- でもそれは、ラクス様の言葉に耳を傾けないから……ですよ。
[編集] ピースガーディアンの指揮系統
- ユウナ
- そう。ラクス=クライン。
- 彼女の存在がこのピースガーディアンのもう一つの特徴である指揮系統の特殊性につながっている。
- ソラ
- 最初に言っていた二つの特徴のうちのもう一つですね。
- ユウナ
- この指揮系統の特異性というのは、ある意味では統一地球圏連合の特異性を象徴しているといっていい。
- ソラ君はピースガーディアンが誰の命令によって動くか知っているかな?
- ソラ
- 誰の?
- ラクス様じゃないんですか?
- ユウナ
- 正解。
- ピースガーディアンはラクス=クラインの命令によって軍事行動を起こす。
- 世界最強の軍事力はたった一人の人物の意思によって行使される。
- これがどれほど危険なことか。ソラ君は想像できるかい?
- ソラ
- え、でもラクス様なら大丈夫ですよ。
- きっと正しい選択をなさってくれるはずですよ。
- ユウナ
- ソラ君……。
- 君もラクス=クラインに全ての責任を押し付けて「諦めてしまう」のかい?
- ソラ
- ……あ……
- ユウナ
- ラクス=クラインがいくら善人であろうとも、「抑止力」を意のままにするというシステムは通常考えられないものなんだ。
- いかなる理由にせよ軍事力が政治の配下にすえられていない状態はまずい。
- それは人々から権利と責任を奪うことに他ならないのだから。
- ソラ
- それなら……ピースガーディアンを正規軍に編入すればいいってこと……ですよね?
- ユウナ
- その場合はピースガーディアンの価値は半減してしまうと思うよ。
- ソラ
- 何でです?
- ユウナ
- これは単純。
- ピースガーディアンの強みはその「機動性」にあるからだね。
- 高々50機のモビルスーツ部隊が世界最強と称されている。
- それは単機で独立国家の絶対防衛ラインを突破できるほどの軍事力がラクス=クラインの一瞬の判断によって行使される点にある。
- ソラ
- つまり、ラクス様が責任を負うことがピースガーディアンの強み……ってことですか?
- ユウナ
- そうなるね。
- 実際、ピースガーディアンが正規軍に編入されれば、あの軍事力を行使するにはあまりに法整備がすんでいない。
- そのため、正規軍の派遣となるとそのたびに議会の承認を得る必要が出てきてしまう。
- 最終的には統一地球圏連合主席の直轄部隊にでも出来れば、少しは今の危うさを回避しながら強みをスポイルせずにすむようになるかも知れない。
- そうなるにはあと10年くらいはいるかもしれないね。
- 統一地球圏連合はまだ成立から5年しかたっていない若い組織なんだ。
- 最良のシステムには程遠いと言っていいと思うよ。
- ソラ
- ………
[編集] ラクス=クラインの判断
- ユウナ
- それに、悲しいけど僕にはラクス=クラインの判断を信用できない。
- ソラ
- ! 何でですか?!
- ユウナ
- 九十日革命に派兵しているからだよ。
- 前回も話したけれども、あの統一地球圏連合の行動はカガリ=ユラ=アスハの「暴走」だと言っていい。
- それをラクス=クラインはとめられたはずだ。
- しかし彼女はそれをしなかった。
- それどころか、その支援をピースガーディアンの派兵という形で行った。
- 結果としてラクス=クラインはあの悲劇における300万人の犠牲を「追認」する形になった。
- 平和の演説で彼女が彼女が世界に向けて放ったメッセージの実体がこの300万人の犠牲だというのなら、僕は絶対にそんなものを認めることは出来ない。
- ソラ
- カガリ様を止める……力……
- ユウナ
- そう。ラクス=クラインは間違いなくそれを持っていた。
- そして、今も持ち続けている。
- でも彼女はその力を行使することは無い。
- 何故だと思う?
- ソラ
- ……何故……なんでしょう?
- ユウナ
- 好意的に解釈するならば、世界を二分してはいけないから。
- でも、実際は……ラクス=クラインのカガリ=ユラ=アスハへの依存ということになると思うよ。
- ソラ
- 依存?
- ユウナ
- そう、依存。
- 意外に思うかもしれないけれど、ピースガーディアンの派兵はラクス=クラインの独自の判断に基づいて行われたことはただの一度もない。
- 全て統一地球圏連合主席カガリ=ユラ=アスハの「依頼」に基づいて行われている。
- これがどういうことを意味するか分かるかな?
- ソラ
- つまり、ピースガーディアンは本当はカガリ様の意図で動いているってことですか?
- ユウナ
- そう。
- それはラクス=クラインが自らの権利と責任を放棄していることに他ならない。
- まるでラクス=クラインが「諦めて」しまっているようじゃないかい?
- ソラ
- ………そんな。
- ユウナ
- 何故ラクス=クラインは統一地球圏連合議会に参加しないのか。
- 何故ラクス=クラインはカガリ=ユラ=アスハを九十日革命でとめなかったのか。
- 何故ラクス=クラインは平和を求めながら300万の人々の犠牲から眼を背けるのか。
- 多くの疑問が彼女への信頼を失わせる。
- それでも人々はラクス=クラインを支持し続ける。
- ソラ
- それは、ラクス様が皆を幸せにしようとしていると知っているからですよ。
- ユウナ
- その通り。
- 諦めてしまった人々は待ち続けているのさ。
- 優しいラクス様が自分達に幸せを与えることをね。
- でも、そのラクス=クラインその人が「諦めてしまっている」としたら……
- それは悲劇を通り越して喜劇だ。
- この上なく悲惨な喜劇。
- ソラ
- ラクス様は……ラクス様は諦めてなんか……いません!
- ユウナ
- うん。
- そうであって欲しい。
- でもね、ソラ君。
- それはソラ君のような人たちが彼女を見続けていなければいかないんだよ。
- ラクス=クラインを信じる人々がラクス=クラインを見続ける。
- それこそが世界を変えるんだ。この血みどろの世界を、ね。
- ソラ
- ………はい。
- ユウナ
- ラクス=クラインにも、カガリ=ユラ=アスハにも考えることを押し付けてはいけない。
- そのために考え続けること。
- それはものすごく辛いし、時に犠牲も伴うだろう。
- でも、ソラ君。
- 君は諦めないでくれないか。
- この世界を。
- この悲しくもすばらしい世界を。
- ソラ
- 正直……今回は納得がいきません。
- でも、それを考えなければいけない。
- そういうことなんですね。
- ユウナ
- ……ありがとう。
- ソラ君が諦めなければ、まだ世界は諦めていないことになる。
- だから一緒にがんばろう
- ソラ
- はい。
- ユウナ
- よ~し。じゃあ今回はここまで。
- ソラ
- ありがとうございました~。
















