ユウナの良くわかる世界観(東ユーラシアの治安維持)
出典: 機動戦士ガンダムSEED Revival
はじめに
- ユウナ
- う~む
- ソラ
- 困ってますね。リーダー。
- ユウナ
- そうかい?
- まあ、最近になって治安警察と東ユーラシア軍の連携が取れてきて活動に制約が増えてきているんだよね。
- ユウナ
- それはそうなんだけど……そうだね。今回は東ユーラシアでのその辺りの関係について話をしようか。
- ソラ
- ……はい。ちょっと怖そうな気がしますけど……
東ユーラシア共和国成立の経緯
- ソラ
- お願いします。
- ユウナ
- 東ユーラシア共和国は当たり前だけれども、ユーラシア大陸の東側を納めている国家だ。
- 東側といっても、真っ二つになっているわけじゃなくて、いわゆるヨーロッパと呼ばれる地域が西ユーラシア、それよりも東が東ユーラシア共和国と言う形になっている。
- ソラ
- というと?
- ユウナ
- 大正解。
- そう、併合演説は非常に突然行われた。旧連合各国はその気配すら認識していなかったと思うよ。
- おそらくオーブよりのスカンジナビアも事前には知らされていなかったはずだよ。
- そうでなければ、いくら親オーブとは言え、必ずしもプラント併合はスカンジナビアにとってもメリットがあるものではない以上、非公式にでも交渉があってしかるべきだったはずだ。
- だが、それはなされなかった。
- ユウナ
- ことの是非はあるかもしれないけれど、結果的に併合演説はコレしかないというタイミングだった。
- あれより遅れていれば、プラントと大西洋連邦の宇宙における衝突は避けようも無い事態だったし、あれよりも早ければプラント併合の正当性を世界に訴えることが出来なかった。
- ソラ
- ???
- ユウナ
- オーブの選択は結果として正解だった。
- 大西洋連邦によるプラント侵攻が実施されていたら、いったい何人の命が散ることになったのか想像もできない。
- その点において併合演説は歴史的英断だったと言えると思うよ。
- ユウナ
- そうかな?
- 僕はあの国のことが好きなんだけどね。
- まあ、ともかく東ユーラシア共和国が併合演説のタイミングを事前に把握していたとはとても思えないんだけど、事実タイミングを合わせるようにして独立は実行された。
- ソラ
- なんででしょうね?
- ユウナ
- 戦争ではないけれど、内部の権力抗争は元々存在していたんだ。
- 特にヨーロッパ圏を中心に纏め上げていたブリュッセルとユーラシア中央部以東を治めていたモスクワの対立は結構大きなものだったんだ。
- そんな中、ブレイク・ザ・ワールドやデストロイによるベルリンなど西欧都市壊滅によって、西ユーラシアは大打撃を受けてしまう。
- これはモスクワにとって戦災一隅のチャンスだったわけだけれども、ブレイク・ザ・ワールドによる爪あとは、むしろ東ユーラシアに多大なダメージを与えていたから、すぐさま西ユーラシアに対する覇権を握ることは困難だったんだ。
- ソラ
- また……ブレイク・ザ・ワールドですか……。
- ユウナ
- 本当だね。
- あの人類史上最大級といっていい「人災」は二度と繰り返してはいけない。
- それは全世界の人々の共通の思いだと信じておきたいものだね。
- ソラ
- 共通の思い……じゃないんですか?
- ユウナ
- まあ、ね。
- そのことはまた別の機会に話をしよう。
- ソラ
- う~ん、何か難しそう……
- ユウナ
- まあ、また今度ね。
- で、ユーラシア全土の覇権を握り損ねたモスクワは東ユーラシアをまず纏め上げる必要があった。
- 当然そのために全力を尽くしていたわけだけれど、モスクワにとってブレイク・ザ・ワールドが残した爪あとは国土の疲弊だけではなかったんだ。
東ユーラシアの治安維持
- ソラ
- ??
- 疲弊だけじゃないというと……治安が悪くなったとかですか?
- ユウナ
- うん。
- 統治側から見れば、それは治安の悪化以外の何者でもないね。
- 要するにレジスタンス活動が活性化してしまったんだ。
- ソラ
- それがなんでブレイク・ザ・ワールドと関係があるんですか?
- ユウナ
- さっきも言ったとおりブレイク・ザ・ワールドは「人災」だったんだ。
- 地震やら飢饉とは違って、「政治」がこの災厄を防げなかったのは政治の怠慢以外の何者でもない。
- しかも、ブレイク・ザ・ワールドの実行者はごく一部のテロリストだということが拍車をかけた。
- 「たかがテロリストの暴挙を大国であるユーラシア連邦は防げなかったのか?」ってね。
- これは国家の威信に関わる出来事だったわけだ。
- ソラ
- なるほど。
- ユウナ
- そして、ユーラシアの治安は決定的に悪化することになった。
- これはモスクワにとっても悲劇だが、民衆にとってはもっと悲劇だった。
- 自ら生きるために国家に頼らずに何とかしようとしたことが、結果として自らの首を絞めていったということだね。
- ソラ
- リーダー達のしていることって、まさにそれじゃないですか!
- ユウナ
- 確かにそういう側面がある。
- それでもその時のモスクワに任せていたらもっとひどいことになっていたと思うよ。
- ソラ
- どうしてです?
- ユウナ
- そのときのモスクワには実質的な統治能力は持っていなかったんだよ。
- 事実、彼らのとっていた政治は「統治のための統治」といっていい。
- ソラ
- ………統治のための統治………
- ユウナ
- 事実、モスクワがコーカサスに課している税制は通常の生活を営むことが困難になるようなレベルのものだし、それが他の地域への治安維持に使われているというのも事実なんだ。
- この治安維持のために治安悪化を呼んでいるという負のスパイラルは全て東ユーラシア共和国の統一地球圏連合参加から始まっているんだ。
- ソラ
- 負のスパイラル……
- ソラ
- というと?
- ユウナ
- それはね、治安維持に他国の武力を用いるということなんだ。
- 治安維持というものは、その国を維持するという基本的な義務なんだ。
- それを他国に依存した状態がどんな悲劇を生むのか……。
- それは想像に難くないことだと思う。
- ソラ
- 治安維持が他の国の人によってなされると、どうして困るんです?
- ユウナ
- そうだなぁ。
- 例えば、自分の友達が警察に捕まったらソラ君はどう思う?
- ソラ
- そりゃ、びっくりしますよ。
- なに悪いことしたんだろ?って
- ユウナ
- そう、「なに悪いことしたんだろ」って思うと思うんだ。
- それは警察のことを信頼しているからそう思うんだと思う。
- じゃあ、警察の人が外人だったらどう思う?
- ソラ
- ……何も変わらない……と思います……
- ユウナ
- 本当にそう思うかい?
- その警察がその人の国の利益とこの国の利益を天秤にかけて、本当にこの国の利益を優先してくれると思えるかい?
- ソラ
- だって、警察って悪いことを取り締まる仕事じゃないですか!
- ユウナ
- そう。悪いことを取り締まる仕事だね。
- そしてその悪いこととは法律によってきまる。
- ソラ
- 法律……
- ユウナ
- なんとなくわかってきたようだね。
- この法律というのが曲者なんだ。
- 治安維持を行う組織はその組織の属している国家の法律に従って動くわけだけど、それは治安維持される国の法律ではない。
- ソラ
- !!
- ユウナ
- そう。治安維持を他国に明け渡した時点で、その国は自国の法律で運用されなくなるわけだ。
- 建前は当然その国の法律に準じて動くことになるけれど、実際にはその国の法律よりも上位にその組織が属している法律が来ることになる。
- これはその国の独立独歩の考え方そのものを奪う結果となる。
- ソラ
- ………
- ユウナ
- その危険性をわかってはいるが、もはや統一地球圏連合の、治安警察の力なくしては自らの治安維持も出来ない。
- だから自国の治安維持力増強に災害復興に比べ重きを置かれてしまう。
- そのための地方搾取が始まる。
- そして、治安は悪化する。
- まさに負のスパイラルだだ。
- ソラ
- なんとかならないんですか?
- ユウナ
- 一つの方法は地方分権だね。
- 何しろ、今のモスクワには東ユーラシア共和国は大きすぎるんだよ。
- だから政府機能を最小化して、地方に治安維持権を委譲することによって、緩やかな連邦制をしくことが効果的だと僕は思っているんだ。
- ソラ
- それで、本当によくなるのかな……
- ユウナ
- うん。
- その疑問はもっともだと思うよ。
- それでも、僕たちは幸せになることをあきらめるわけには行かないんだ。
- ソラ
- ………
- ユウナ
- うん?
- どうしたんだい?ソラ君。
- ソラ
- ……リーダーはどうして、そんなに必死になれるんですか?
- ユウナ
- みんな必死さ。
- 形が違うだけでね。
- ソラ
- う~ん
- ユウナ
- よし、今回はここまで。
- お疲れ様~
- ソラ
- ありがとうございました~













