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真の正義

出典: 機動戦士ガンダムSEED Revival

(Phase-19-10 から転送)

そこは静寂と緊張で張り詰めていた。遠くから地響きが聞こえる。山の向こうの鳥が、一斉に飛び立ったのがここからでも見える。それは群れを成して飛ぶ際の飛び方ではない。驚異に対して恐れを抱き、逃げだそうとする時の飛び方だ。


「……来るぞ、砲撃準備!」


初老の男――パルス=バウマンが指示を出す。彼の襟元に光る階級章から統一地球圏連合の中隊長であることがわかる。彼の指揮する部隊の正式名称は統一地球圏連合軍ヨーロッパ方面ドイツ支部地上軍第三砲課四○二部隊。判りやすく言えばドイツ軍ガズウート部隊である。四機のガズウートで構成された一小隊を四つ、所謂中隊と呼ばれる規模、つまりパルスは十六機のガズウートを指揮する権限が与えられている事になる。ガズウートはもはや旧式の機体であり、機動力などはモビルスーツと呼ぶのも憚られるお粗末なものだが、火力という点においては実弾、ビーム、機関砲、誘導兵器などバランス良く装備しており現在においても一線級である。扱いようによっては同数のルタンドよりも強力な戦力となり得るのだ。特に今回のような作戦において真価を発揮する部隊と言えるだろう。時代遅れの火力偏重部隊と言う人間もいたがパルスは自分の部隊を誇りに思っていた。

だが、これから立ち向かおうとする敵に対してなんと頼りない事か、例えるなら迫りくる溶岩を庭にある水撒きホース一本で何とかしろと言っているようなものだ。パルスは内心その位の戦力差があると考えていた。本来ならもっと部隊を展開し任に当たる事が出来たはずだったのだが、彼は上司の不明を責める気はなれなかった。


(各地のトンネルや橋の爆破。ただのテロにしてはアピールしようとする意思が感じられない。我々の展開阻害とみて間違いあるまい)


主要道路は軒並み爆破され、各地に防衛用として展開されていた部隊は逆に身動きが取れなくなった。そのため各部隊は独立して動かざるを得なくなり、本来は混成軍として動くはずのパルス率いるガズウート隊はなんと彼等のみで任に当たらざるを得なくなったのだ。


(後手後手に回らされている、という事か。道路を破壊する。それもこれだけの規模で。我々が航空機では満足に部隊を展開出来ないと知っている者の手口だな。……誰かは知らんがえげつない手を使う!)


ズール地方より出現した巨大モビルアーマー“オラクル”は現在、各地の駐留軍を揉み潰しつつ北進している。ドイツを縦に突き進み、北海沿岸へ出る――それが、軍司令部の出した予測だ。目的は、『スカンジナビア王国聖誕祭』の襲撃。今回は特にスカンジナビア王国と関係深いカガリ=ユラ=アスハが参列する事となっている。四年に一度の国の威信を賭けた大祭典という事もあり、テロリストが狙う獲物としてはこれ以上のものはないだろう。それ程の獲物であればこれだけのモビルアーマーを持ち出してきたのも納得できる。

だが相手が何であれ、やる事は一つ。そう呟くとパルスは腹を据えた。

朝靄の中、黄金色の巨大な人影が視認された。見間違えるはずも無い、山すらもその体を隠しきれない巨大な威容を持つ、モビルアーマー“オラクル”だ。


「テロリスト如きに我らが大地を蹂躙させてなるものか、なんとしてもここで食い止めるぞ!……全隊、撃てぇっ!」


パルスの咆哮と共に、ガズウートが放った無数のミサイルが、ビームがオラクルに襲い掛かる。だが必勝のはずの弾幕も陽電子リフレクターに弾かれ、全身に仕込まれた火砲に飲み込まれ消えていく。敵わぬ事だと知りつつも彼等は撃ち続けた。煩わしそうに振り上げられたオラクルの手から放たれた光――それが全てを消し去るその瞬間まで。






「……四○二部隊、シグナルロスト。全滅した模様です」


淡々とエルスティンが読み上げる。相変わらず感情を含めぬ物言いだが、殊更冷たく感じるのは内容が内容だからだろうか。メイリンは歯噛みする。


「ヨーロッパ方面軍は自衛も出来なかったって言うの!? デストロイに気が取られた瞬間を狙われたとはいえ、こうもあっさりテロを許すなんて……!」


そんなメイリンを諭す為かエルスティンが推論を挟む。


「デストロイと同時爆破テロ犯――後者は自爆テロですが、おそらく同一グループによるものでしょう。偶然と言うには連携が取れすぎています」

「断定は出来ないけれど、そう思う方が自然ね。……動かせる部隊は?」


言いながらメイリンはモニタに映るヨーロッパ地図を眺めていた。かつてのデストロイの破壊後も生々しく残った地図を見ると、今更ながら事態が深刻なものになりつつある事を実感させられる。


「ハノーバーに二〇七機動師団が駐留。この辺りに防衛ラインを築くべく、他の残存部隊集結を急がせています。ハノーバー機動師団はゲルズゲー部隊も存在していますので、そうそう遅れは取らないでしょう」

「そう願うわ。“音楽隊”に戦わせる訳にはいかないものね」


ハノーバーの更に北にはブレーメン、そしてその上には北海が広がる――海上でデストロイタイプを仕留めるのはかなり難しくなる。遮蔽物の無い場所に行けば単純な砲撃戦になるので、“単純な砲撃戦”に特化されたデストロイタイプにとっては願ったりの戦場となるのだ。

だが、それと同時にメイリンは不自然なものを感じていた。


(ここまでは完全に相手のペース。でも我々も防衛ラインを築ける程には追いすがっている。相手はそれを予想していた。それ故の自爆テロによる道路破壊。そこまでやってのけるのにハノーバー周囲ではテロは起こっていない。まるでハノーバーを見逃した、という風にも見えるけど……)


疑い出せばキリがない、という事は判る。疑心暗鬼になってはいけないのだ。だが、何をするにしても確証がないというのは不安なものである。何気なく、メイリンはエルスティンを見た。この冷静な副官が信用する、どうやっても信用の置けない男――それが今のメイリンの切り札という事実に、頭を抱えつつも。


(オスカー、何とかしなさいよ。あなたはまだ、幹部としての仕事をこなしてないんだからね……)

そう、メイリンは心の中で一人ごちた。






(現状では俺が、奴を倒すのは不可能だな)


スウェンはモニタに映る惨状を観察しながら冷静に判断を下していた。

彼がいる場所は既にオラクルがここを防衛するモビルスーツ部隊を行きがけの駄賃とばかりに揉み潰していった後である。あれはもう戦闘などと呼べる代物ではなく、オラクルが一方的に潰し、焼き払っていくというもので、戦闘というにはあまりにも圧倒的すぎた。

そもそも統一地球圏連合は旧連合の造り出したデストロイタイプは極力封印する施策をとっていた――制作するにも、対抗する方法を造るにしろ、莫大な資金がかかるからだ。ただでさえ二度に渡る大戦で疲弊したこの時代に於いて、デストロイタイプの計画を推進する事はそれだけで致命傷にもなり得てしまいそうな事だったのである。

だが、こうしてオラクルが動き出して初めて対策が少ない事に気付かされる。陽電子リフレクターを備えたデストロイタイプは、単純な砲撃戦で屠れる様な代物ではない。何といっても陽電子砲ですら無効化するのだから。故にかつてのエースパイロット達が行った様に、超接近戦がデストロイに対してのもっとも効果的な手段である。

そうだとすれば、ハガクレはかなり優秀な対デストロイ用の機体となりえるだろう。だがスウェンは引っ掛かっていた。派手なカラーリングを差し引いてもかつて資料で見たデストロイとは外見がかなり異なっているからだ。


(奴の武装は、全身のビーム砲とミサイルだけではないだろう。デストロイとはいえ単機であれだけ堂々と暴れているからには……もっと、何か別の切り札があるはずだ)


それが判らなければ、“確実に”奴を倒せるとは思えない。スウェンは逸る気持ちを押し殺し、ひたすらにオラクルを監視し続けた。ほんの少しでも隙を、弱点を見せた時に、一瞬で噛み殺せる様に。






カシムを狙った銃弾は、かろうじて急所を逸れていた。シノがカシムの命を救った――そう言って良いだろう。

ソラは、後部座席に座ったまま黙り込んでいた。その更に後ろ、荷台には寝袋に包まれたシノの遺体がある。そしてソラの横には、肩口当たりに銃創を負い、息も絶え絶えのカシム。運転するアスラン、助手席に座るジェスは痛ましくて、後部座席を正視出来ないで居た。

ソラは、懸命にカシムの頭を撫でてあげてやっていた。それしか出来ないのだ――何度も、何度も考えても。その位しか、してあげられる事が無い。まして、荷台に居る親友には目を合わせる事すら出来ないのだ。


(どうして……っ!)


思い起こせば、直ぐに涙が浮かぶ。ほんの数時間前まで、生きていた筈なのに。ほんの数時間前まで、笑っていた筈なのに。それがほんの数分、目を離した隙に。


(あの時……私は!)


あの時――ターニャを失ったあの時、自分は何を思ったのだろう? ようやく、ソラはその事を考え始めていた。


(あの時……私は、ただ、悲しんでいただけ……! その後も、その後も、その後も! ターニャが命懸けで教えてくれた事を、私は……!)


それは、違うと思う。だが、ソラはターニャを失った喪失を、ただそのままにしていた――それが、堪らなく悔しい。

あの時から、もっと成長していれば。あの時よりも、動けたはずなのに。

考えるのは、そんな意味もない事。反省にもならない後悔。

ただ、どうやっても認めたくない――認められない事がある。


(私は……また大切な人を……!)


痛かった。ターニャを失った時ぽっかりと空いた穴の塞ぎ方が、どうやったら塞げるのか判らなかった。それなのに穴はまた広く、深く広がってしまった。

アスランもジェスも、そんなソラに何か言葉を掛けようとして――止めた。言葉で癒される様な事ではないのは、二人とも十分判っていたからだ。






何とかズールの隣町にある病院にカシムを担ぎ込むと、ようやく一行は一息入れる事が出来た。だが、無力感に苛まされていたのはソラだけではない。ソラがカシムの看病の為に病室に入っていくと、アスランとジェスは溜めに溜めていた言葉を吐き出した。


「……くそっ!」


だんっと、壁に拳を打ち付けるアスラン。ジェスは滅多に吸わない煙草を取り出し、吸おうとして――無造作に指でへし折り、灰皿に押し込む。二人とも顔には出さなかったが、ソラ以上に無力感に苛まされていた。歴戦の戦士であるアスランと、数多の戦場を渡り歩いたジャーナリストのジェス。なまじ力と経験がある為に『もっと何かが出来ていた筈だ』と思えてしまうのだ。

さらに――


《……ズールより出現した黄金のモビルアーマーは街道に沿って尚も北上中。現在駐留している統一軍が迎撃に当たってい――》


レポーターの言葉を遮る様に、画面が光で埋め尽くされ、砂嵐が覆う。そのテレビを食い入る様に見ていた人々から「なんだ、故障か?」といった疑問の声が上がるが、アスランとジェスは何が起こったのか理解していた。撃墜されたのだ。

そして、二人にはあの機体に誰が乗っているのか解っている。解ってしまっている。


「セシル……ッ」


ぎりぎりと、奥歯を噛み締めながら呻く様に呟くアスラン。それ以上の言葉を、アスランは口に出さない。出してはいけないのだ――カシムの為にも。今、懸命に命を繋いでいるカシムの為にも。



病室は、さながら野戦病院の様だった。引っ切り無しに病人が担ぎ込まれ、ベッドの数が足りず床に毛布を引き、そこで医者が手当てに当たる。幸い、カシムはこの病院にカルテが存在していたので優先的にベッドを使わせて貰えた。ソラはまだ知らなかった。カシムの様態がもはや一刻を争う事態に突入しているという事が。


「カシム君……」


その小さな手を両手で包みつつ、ソラは思う。せめて、この子だけでも、と。呼吸も荒く、苦しそうなカシムの様子はそれだけで胸の潰れる思いになる。ソラは、懸命に願い続けるしかできないで居た。


(シーちゃん、セシルさん、この子を守って……!)


そんな事しかできない。その事を噛み締めつつ、ソラはそれでも、願い続ける。無力感に苛まされながら、ソラは両の手で感じる体温が段々と低くなっていく事に焦燥していた。

――カシムの主治医がやっと手が空き、診療を開始してすぐに、ソラはこう主治医に言われた。「……覚悟だけはなさって下さい」と。

アスランとソラ、ジェスはようやくそこでセシルとカシムが今まで何と戦って来たのか聞いた。治る筈の無い難病――それが、もはや抵抗出来ない所まで進行してしまっているという事に。


「本来彼は余命一年と言われていたのをこの小さな体で五年も耐えてきたのです。元々体力が残されていない上に、この怪我です。……無論、最善は尽くしますが……」


言葉を濁す主治医に、ソラは何か言おうとして――出来なかった。何も出来なかった自分が、何かが言える訳がない。ただ、「お願いします、カシムを……」と、絞り出す様に言うのが精一杯だった。アスランもジェスも、何も言わなかった。

ただ、もう救えない者が居る。それは、厳然たる事実だった。






アスランは、憤っていた。

その事を知っていれば、もっと早くに知っていれば、何とか出来たかもしれない。力を持つからこそ、憤っていた。――それが傲慢な考えだと知りながらも。全てを救う事など、誰にも出来はしないと知りながらも。


(セシル、もう止めろ……!)


セシルの境遇には同情していた。だが、もう許す事はできない。もう、これ以上被害を増やす事は。これ以上、悲しむ人を増やすのは。彼のしている事は、セシルとカシムとシノを生み出すことにしかならないから。

アスランは腕時計を操作する――緊急時の短波量子通信機だ。会話としては使えないが、世界の何処からでも簡単な信号を送る事が可能な代物で、統一地球圏連合の中でもアスランなどの要人しか所持しないものだ。

送った指令はとても簡素なものだ。――ただ一言、“剣よ、来たれ”と。






《――最優先指令確認。コード一〇八。ライス=リッター少尉、聞こえますか? 今すぐにカーゴハッチを開放して下さい》


マシンボイスが、唐突にモビルスーツ輸送機“マーキュリー”のCICに響き渡る。


「コード一〇八ってまさか……ちょっと待て、“アル”! まだここはドイツ領空じゃ無いんだぞ!」


それまで副操縦席で惰眠を貪っていたライスは、大慌てでマイクに怒鳴る。彼等はアスランがオーブを出た事を知った後、大慌てでアスランの愛機を運んで来ていたのだ。当然タイミング的にデストロイ騒ぎを知らなかったので、ライスの反応は当然だろう。

しかし、自立AI“アル”はそんなライスの事など全くお構いなしに警告を送る。


《最優先命令です。リッター少尉の要請は行動を中断する理由には該当しません。ハッチ開放を早急に行って下さい。職務を遂行しない場合……》


ここまで来ると完全に脅迫である。ライスは、自分の血の気が失せるのが良く解った。


「ああもう解ったよ、カーゴハッチ開きます! 恨みますよ、アスラン隊長っ!」


その後の言い訳とか全部僕にやらせる癖に、とか言いながらもライスはカーゴハッチを開いた。

カーゴハッチが開くと同時に朝靄の中、真紅の巨人が異形の翼を広げ空を舞う。

この世界を守護する紅の騎士、その名を“トゥルー=ジャスティス”といった。






「……シノ姉、ちゃん……?」


カシムが譫言の様に喋ったのは、集中治療室へカシムを運んでいく最中だった。おそらく、振動が覚醒を促したのだろう。カシムの手を未だ握っていたソラは、すぐにその事に気が付いた。


「カシム、気が付いたの!?」


カシムがソラとシノを勘違いしている――そんなのは些細な事だ。そんな事にソラは構わなかった。だが、次に続く言葉を聞いて硬直する。


「姉ちゃん……兄ちゃんを幸せにしてあげてね。俺が居なくなれば、兄ちゃんは悲しむから……」

「カシム……」


違う、私はシノじゃない――そう言おうとして言えなかった。喉にまで出かかった言葉を飲み込む。シノが既にこの世に居ないなど今のカシムに言えるはずがなかった。


「兄ちゃんは、俺の為に凄い無理をしてるんだ……俺、兄ちゃんの負担なんだよ……だから、姉ちゃん……兄ちゃんを頼むよ……」

「カシム……」


ソラは言葉に詰まる。十になるかならないかという幼い子供が、こんな事しか言えない――その事実に。


「……俺が居なくなったら、兄ちゃんは悲しむから……だから姉ちゃん……」


カシムの声は、ますます弱くなっていく。……まるで消え入りそうに。


「兄ちゃんを幸せにしてあげてね……」


――それが、カシムが懸命に伝えたかった言葉なのだろうか。その身を蝕む病魔と闘いながら、それでも周りの人間達に残したかった言葉なのだろうか。

その言葉を最後に、カシムは集中治療室へ入っていった。そこに、ソラは立ち入る事は出来ない。目の前で閉じられた病室の入り口が全てを拒絶した様で、ソラはじっとそこに立ちつくしていた。






誰もが俯いていた。誰もが救いを求めていた。誰もが、幸せな世界を望んでいた。

幸せを作る為に、必要なものは何か? ――“力”だ。何者にも揺るがない強い意志。それを護る為の力。

ただ、アスランは歩いていく。何者も恐れず、何者にも引き下がらず。ただ、人々が笑って過ごせる世の中を作るために。


「……行くのか?」

「ああ」


腕組みをしたジェスに問われ、アスランは言葉少なく答えた。その瞳に、決意を漲らせて。

人を救うという行為は、その人の為に何かを失うという事だ。誰かを助ける為に、その人が労力を使い、犠牲になるという事だ。――アスランにとっての“正義”だった。

視線を合わせることなくジェスが、片手を上げた。

アスランもまた視線を合わせることなく片手を上げ、その手を叩く。


「……後は頼む」

「任せろ」


男達は、決意を固めていた。己の命を賭して、助けたいものがあるから。

……守りたいものが、守るべきものが、あるから。






それは、主の到着を待つかの様に片膝を付き佇んでいた。“真の正義”の名を冠するモビルスーツ。真の正義とは何か?それはアスランとて未だ答えを出し切れていない。にもかかわらずその名を付けたのはアスランの決意である。大切なものを護る為ならば力を振るうことを二度と迷わないという。

素早くパイロットシートに乗り込むと、手早く機体チェックを済ませアスランは己を鼓舞するように叫んだ。


「……トゥルー=ジャスティス、アスラン=ザラ出る!」


より良い明日を作ろうと懸命に生きる人々を背に、一機のモビルスーツが躍り出る。それは、決意を漲らせるかの様にスラスターの咆哮を響かせ空高く舞い上がっていった。

ただ一直線に、恐れも、惑いもなく騎士は舞う。愛すべき人達を護るために。

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